鍼灸学生の時、
東洋医学概論という教科があります。
まず、その教科書に書いてあるのは、
森羅万象、この世のすべてのものは陰陽に分けることが出来る。
と陰陽論を学ぶのです。
以前にも陰陽の振り分けを書いたことがあると思います。
太陽―月
天―地
昼―夜
明―暗
などなど、
陽であること、陰であることが、
イメージが付いてきます。
そして、陰陽は完全に対立関係にあるわけではなく、
共存・依存関係にでもあります。
天があるから、地があり、
熱がなければ、寒という概念もない。
光があたるところがあれば、当然影がある。
そして、
陰陽の関係を表す太極マークのように、
白いところは陽で、黒いところは陰ですが、
おたまじゃくしのような形の中に、
それぞれ反対の陰陽の色が入っています。
このマークがしめすように、
陰陽は単独で存在するのはなく、
陽の中にも陰が存在し、陰の中にも陽が存在するという事なのです。
タイトルでも書いた、
森羅万象、この世のすべてのものは陰陽に分けられる。
という概念、
この考えって、
今、世界で大流行している新型コロナウィルス肺炎のことでもそう捉えることが出来るのか、、、。
出来ると思います。
未知のコロナウイルスの存在は、
人々にとって恐怖と不安を与え、
感染しないように、感染させないようにと、
STAYHOMEと言われて、
家でじっと感染拡大を抑えるために待つ日々。
一見、今の世の中は「陰」ですよね。
日の当たらない影にいるような世界状況かもしれません。
しかし、陰陽論は陰の中にも、陽の中にも、それぞれ陰陽が存在するのです。
今、陰の状態の中で、陰の中に存在している陽ってなんだろう。
やはり、
こころの在り方なんではないでしょうか。
コロナウイルスの感染が広がり、
日本国民にとって一番ショックだったのは、
志村けんさんの死でしたよね。
あれ以来、日本人にコロナウイルスに対する考えが変わり、
今の在り方を考える切っ掛けにもなったと思います。
家族の大切さ、
利己ではなく、利他を考える気持ち、
仕事ってなんだろう、
お金ってなんだろう、
命ってなんだろう、
色んなことを考えさせられ、
皆が答えを求めて、
未来に向かっているところではないでしょうか?
今までも
バブル崩壊や、阪神淡路大震災・東日本大震災、リーマンショックなど、
沢山の悲しみ・冷え込み・混乱がありながらも、
その度にこころの在り方を一掃させたり、成長させたりと、
それはまさしく、後退ではなく、発展でしたよね。
コロナショックは経験したことがない事象ではありますが、
大人たちは、
陰陽の関係のように、
世の中がどうのように転がって行っても、
春夏秋冬の季節が巡るように、
陰から陽へ、
陽から陰へと、
移り変わって行くことを知っているはず。
私の好きなバンドのギターリストが、
40代になっても売れてない頃、
肉体的にきついバイトをしながら音楽活動を続けていて、
なんでこんな年になってもこんな事をしてるんだろうと悩み、
哲学の本を読み漁った時代があった話をしていました。
でもその時代を思い出して、彼は、
「すごく辛い時代だったんだけど、自分と向き合うために哲学の本を読み漁ったのは、今思うと宝石のような日々でした。」
と語っていました。
これって陰の中に陽があるお話ですよね。
こんな状況ではありますが、
時間を経て、現在の事象を意味があるものと答えが見いだせることと思っています。
だから、
テレビでも、
親でも、
世の中の大人たちが、
不安を煽るばかりでなく、
こんな中にも陽があるという事を、
また陰から陽に移り変わるっていくことを、
もっと語らなければならないと思うのです。
そして、もっと大きい心で身構えて欲しいと思うのです。
大丈夫、大丈夫、
これが世の流れだから、大丈夫って、
子供たちに言って欲しいですね。