意外に女性に多い股関節痛のお話です。
「股関節が痛くなりまして、、、。」
という方は、原因をお聞きしても思い当たることがありませんとお答えすることが多いです。
鍼灸院に来院するまでに整形外科まで行って、レントゲンを撮られて異常は診られませんでしたという、診断結果まで出て、それでも痛いからと言って鍼灸院に来るパターンも少なくはありません。
症状としては股関節に重心を置くと痛みが出るため、片足で支えられなかったり、
一定の角度や方向に足を持っていくと痛かったり、
何もしなくても、痛いという事はなく、
立位で動かすと痛みを誘発することが殆んどです。
感覚としても、
股関節の位置がずれた感じがすると訴える方もいます。
レントゲンでも異常はなく、
でもずれた感じがして明らかに痛いし、
片足で支持することも辛い。
どうしてでしょうね、、、。
それは股関節という関節の特殊性と生活習慣に関わってきます。
股関節は、
関節の可動域が広く、
他の関節に比べて自由度の高い関節です。
手指や手首、膝の関節などは、基本的に曲げるか伸ばすかくらいの動きしかありません(細かいことをいうと他の方向にも動きますが、可動域としては大きくありません。)。
それに比べて股関節は前や後ろに曲げ伸ばしする以外に、横に開いたり、あぐらをかく様に蟹股に足を開くことも出来ます。
これだけ自由に動ける関節は股関節以外にも、肩関節も同じように可動域の広い関節で、股関節と構造が似ていると言われています。
しかし、肩関節と違うところは、
股関節は体重を支えなければいけない関節という事です。
自由度の高い関節は構造として、
あらゆる方向に動かせなければならないので、
関節としては不安定になります。
しかしながら股関節は自由でありながら、体重を支えるという重要な役割を持っています。
それだけに、股関節を守る靭帯・筋肉・関節包の負担は大きいのは容易に理解出来ますよね!
股関節を傷めないように、
長い間、良い状態を保って使っていくには一番負担がかからないように使っていく必要があります。
例えば、
股関節を四足の椅子の足だとすると、
台座と椅子の足の位置が少しでもずれていたら、
椅子に座った時の重心の方向が変わっていきます。
台座と椅子の付け根にどんなに強固なL字金具とネジで繋げていても、
いずれか金具やネジに歪みが生じ、
椅子は椅子としての役割を果たせず、崩壊してしまう可能性もあります。
この時の金具とネジは、股関節を支える靭帯や筋肉に当たります。
良くない位置で股関節を使っているのは、
姿勢が関係しています。
股関節は骨盤と大腿骨の関節なので、
座り仕事が多い人や、
猫背、腰痛持ちや、片足に重心を寄せて立つ癖があったり、
立ちながらスマホを操作していたり、
そんな方が、
徐々に股関節を支える組織に負担をかけ、
痛みとして悲鳴をあげることになるのです。
股関節痛いという症状で来られた方は、
股関節の周りの筋肉、
臀部の筋肉、骨盤の内側を通る腸腰筋がガチガチに硬くなっています。
それでは良い位置で股関節の重心を取ることもできませんよね。
だからこの治療は股関節の周囲筋を緩めてあげるという事と、
しっかり股関節の自由度を意識して、
股関節を柔らかくするためにストレッチしていくことが改善していくための、
初期の治療になります。
しかし、痛みが取れた後は、
股関節を柔らかく維持していくためにストレッチは続けて、
不良姿勢を改善し、
股関節に正しい使い方が出来るように重心を知るということが再発の防止になります。
立つときは、
両足で立ち、
頭の重心は足と足の間、
つま先や踵に重心を置かないように気を付け、
丁度、間の土踏まず辺りに頭の重心を置くと良いですよ!